2016年1月に閉館した渋谷のミニシアター「シネマライズ」で、今から20年前の1997年、大学生の時に見た『トレインスポッティング』。
スコットランドを舞台にした、ヘロイン中毒の若者達の日常を、スタイリッシュな映像で生々しく描き、その音楽と、ポップなポスターのオシャレさも手伝ってか、当時の日本のカルチャー雑誌なんかでもこぞって取り上げられていました。
かく言う私も、それを読んで見に行った一人。
見終わった後には渋谷のタワーレコードで、しっかりとサントラも買って帰りました。
そんな『トレインスポッティング』の20年後を描く、まさかの『T2 トレインスポッティング』が、監督ダニー・ボイル、主要キャストも当時のオリジナルで制作され、日本でも4月8日から公開となったので、早速見に行ってきました。
スコットランド、エディンバラ。大金を持ち逃げし20年ぶりにオランダからこの地に舞い戻ってきたマーク・レントン。表向きはパブを経営しながら、売春、ゆすりを稼業とするシック・ボーイ。家族に愛想を尽かされ、孤独に絶望しているスパッド。刑務所に服役中のベグビー。想像通り?モノ分かりの良い大人になれずに荒んだ人生を疾走する彼らの再会、そして彼らが選ぶ未来とは…。
90年代ポップ・カルチャーの代名詞で社会現象まで引き起こした映画『トレインスポッティング』の続編。主演のユアン・マクレガーをはじめ、監督のダニー・ボイル、脚本のジョン・ホッジとオリジナルのスタッフ&キャストが再集結して製作された。
20年前、そして現在と、比較的自分と年齢が近い主人公達を描いていますが、とは言え”住む世界”が違いすぎるので、今回も、多分当時も、”遠い国の話”としか捉えられませんが、それでも深く、心に印象が残る不思議な映画です(音楽の使い方の上手さもあると思います)。
『トレインスポッティング』後は一躍スターダムにのし上がったユアン・マクレガーですが、未だに他の作品で見ても、どうしても『トレインスポッティング』を思い出してしまうほど、自分の記憶に焼き付いてしまっています。
今回の『T2 トレインスポッティング』では、そんな20年前の映像と音楽をうまくシンクロさせているのも見どころの一つ。
前作を見ていなくても、充分に楽しめるのかもしれませんが、やはり見てからの方がより楽しめると思います。
※とはいえ20年分の熟成期間を置いて見れるのは、当時見た人だけの特権ですね。
特に最後のレコードに針を落として音楽が流れるシーン。
その音を聴いて当時を思い出し、胸が熱くなりました・・。
ちなみに今回、CLUB CITTA'監修による新音響システム【LIVE ZOUND(ライブ ザウンド)】で上映されていた回を見てきたのですが、その全身に振動する感じが、より映画にマッチしていた気がします。