水墨画の最高峰 「松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)」、金碧障壁画(きんぺきしょうへきが)の至宝「楓図壁貼付(かえでずかべはりつけ)」を描き、狩野永徳、海北友松、雲谷等顔らと並び桃山時代を代表する画人である、長谷川等伯の生涯を描いた作品。
第148回直木賞受賞『等伯』安部 龍太郎(著)
能登・七尾で武士の家に生まれた信春は、長谷川家の養子となり絵仏師として名声を得ていた。都に出て天下一の絵師になるという野望をもっていた彼だが、主家の内紛に巻き込まれて養父母を失い、妻子とともに故郷を追われる。戦国の世に翻弄されながらも、己の信念を貫かんとした絵師・等伯の誕生を描く傑作長編。
三英傑(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康)、千利休なども登場人物として描かれ、そうした時代背景があってこそ、国宝「松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)」を描くまでになった境地が、書かれています。
この小説で長谷川等伯を知り、また長谷川等伯が描いた絵を広く知る事ができただけでも、とても価値がある作品でした。